「少し歩くと脚がしびれてくる」
「買い物の途中で一度座らないと歩けない」
「少し休むと、また歩けるようになる」
このような症状はありませんか?
歩き続けることで脚の痛み・しびれ・だるさなどが強くなり、休むことで再び歩けるようになる症状を、間欠性跛行(かんけつせいはこう)と呼びます。
腰部脊柱管狭窄症でよくみられる症状として知られていますが、実は間欠性跛行=必ず脊柱管狭窄症というわけではありません。
脚の動脈の血流が悪くなる下肢閉塞性動脈疾患などでも、歩行によって脚が痛み、休むと軽くなることがあります。
今回は、間欠性跛行とはどのような症状なのか、腰部脊柱管狭窄症によるものと血管によるものにはどのような違いがあるのか、医療機関を受診した方がよい症状について解説します。
- 間欠性跛行とは?
- 脊柱管狭窄症による間欠性跛行
- なぜ前かがみだと楽になることがある?
- 「腰が痛くないから脊柱管狭窄症ではない」は間違い?
- 片脚だけ?両脚?
- どのくらい歩くと症状が出る?
- 休む姿勢もチェックしてみよう
- 実は血管の病気でも「歩くと痛い・休むと楽」になる
- 血管が原因の場合はどんな症状?
- 神経性と血管性はどう違う?
- 足が冷たい・傷が治りにくい場合は血流も確認
- 整形外科では何を調べる?
- 血流が疑われる場合はABIなどを調べることも
- 歩ける距離が短くなってきたら記録してみよう
- 痛みを我慢して歩けば鍛えられる?
- 杖やカートを使ってもいい?
- 脚に力が入りにくくなってきた場合
- 排尿・排便の異常は早急に医療機関へ
- 当院の既存「脊柱管狭窄症ページ」とこの記事の違い
- 宝塚げんき鍼灸整骨院では何を確認する?
- 鍼灸で狭くなった脊柱管を広げられる?
- 当院の脊柱管狭窄症の症例
- 歩くと脚がしびれる方へ|5つのチェック
- 宝塚市・阪急山本駅周辺で歩くと脚がしびれる方へ
- まとめ
間欠性跛行とは?
「跛行」とは、何らかの原因によって正常に歩きにくくなっている状態を表す言葉です。
間欠性跛行では、最初は歩けていても、ある程度歩き続けると、
- お尻が痛くなる
- 太ももがしびれる
- ふくらはぎが痛む
- 脚が重くだるくなる
- 脚に力が入りにくくなる
などの症状が出て歩き続けることが難しくなります。
そして、しばらく休むと症状が軽くなり、また歩けるようになります。
日本脊椎脊髄病学会でも、腰部脊柱管狭窄症に特徴的な症状として間欠性跛行を挙げています。
脊柱管狭窄症による間欠性跛行
腰部脊柱管狭窄症は、腰椎の中にある神経の通り道が狭くなり、神経が圧迫されることで脚の痛み・しびれなどが出る疾患です。
特徴的なのが、
- 立っていると脚がつらくなる
- 歩くとしびれや痛みが強くなる
- 座って休むと楽になる
- しゃがむと楽になる
- 前かがみになると楽になることがある
という症状です。
日本脊椎脊髄病学会では、腰を掛けたり、しゃがみ込んだりすると症状が軽くなり、自転車や乳母車を押すような前かがみ姿勢では症状が出にくいことがあると説明しています。
なぜ前かがみだと楽になることがある?
腰部脊柱管狭窄症では、腰を後ろへ反らす姿勢で神経の通り道がさらに狭くなり、症状が出やすくなる場合があります。
反対に、少し前かがみになることで症状が軽減する方がいます。
そのため、
- 普通に歩くとつらい
- ショッピングカートを押すと比較的歩ける
- 自転車なら比較的長く移動できる
- 座ると短時間で楽になる
という方もいます。
ただし、この特徴だけで脊柱管狭窄症と自己診断することはできません。
「腰が痛くないから脊柱管狭窄症ではない」は間違い?
腰部脊柱管狭窄症という名前から、必ず強い腰痛があると思われがちです。
しかし、腰の痛みよりも、
- お尻のしびれ
- 脚の痛み
- ふくらはぎのだるさ
- 歩きにくさ
が目立つ方もいます。
「腰はそれほど痛くないから腰は関係ない」とは限りません。
片脚だけ?両脚?
脊柱管狭窄症による症状は両脚に出るとは限りません。
日本脊椎脊髄病学会でも、痛みやしびれは両脚に出る場合も、片脚だけに出る場合もあるとしています。
受診するときには、
- 右だけ
- 左だけ
- 両脚
- お尻からふくらはぎまで
- 足先まで
など、どの範囲に症状があるか伝えられると参考になります。
どのくらい歩くと症状が出る?
間欠性跛行では、歩ける距離を把握しておくことも重要です。
例えば、
- 100mほどで症状が出る
- 5分程度歩くとしびれる
- スーパーを一周すると休みたくなる
- 駅までは行けるが帰りがつらい
などです。
厳密に計測する必要はありませんが、「以前より歩ける距離が短くなってきた」という変化は大切な情報です。
休む姿勢もチェックしてみよう
歩いて脚が痛くなったとき、どのように休むと楽になるでしょうか。
例えば、
- ベンチへ座ると楽
- しゃがむと楽
- 前かがみになると楽
- ただ立ち止まるだけでも楽
などです。
この「どう休むと楽になるか」は、原因を考えるときの一つの材料になります。
実は血管の病気でも「歩くと痛い・休むと楽」になる
ここは今回の記事で特に知っておいてほしいポイントです。
間欠性跛行は、腰部脊柱管狭窄症だけでなく、下肢閉塞性動脈疾患(LEAD)など脚への血流が低下する病気でも起こります。
日本循環器学会の末梢動脈疾患ガイドラインでも、腰部脊柱管狭窄症による神経性の間欠性跛行と、下肢動脈の血流障害による間欠性跛行は鑑別が必要とされています。
血管が原因の場合はどんな症状?
下肢の動脈が狭くなるなどして血流が不足すると、歩行中に脚の筋肉が必要とする血液を十分に送れず、
- ふくらはぎの痛み
- 脚のだるさ
- こむら返りのような症状
- しびれ
などが起こることがあります。
休むと症状が軽くなり、再び歩けるようになるため、脊柱管狭窄症と似ています。
神経性と血管性はどう違う?
典型的には、次のような違いが参考になります。
腰部脊柱管狭窄症など神経性の場合
- 立つ・歩くと症状が出る
- 腰を曲げると楽になることがある
- 座る・しゃがむと楽になりやすい
- お尻から脚にしびれが出ることがある
下肢の血流障害の場合
- 歩くことで脚の痛み・だるさが出る
- 一定の歩行距離で出ることがある
- 姿勢を変えなくても立ち止まることで軽減することがある
- ふくらはぎなどに症状が出ることがある
ただし、実際には症状だけで完全に見分けられるとは限りません。
両方が同時に存在するケースもあります。
足が冷たい・傷が治りにくい場合は血流も確認
歩行時の脚の痛みに加えて、
- 片方の足が明らかに冷たい
- 足の色が左右で違う
- 足の傷がなかなか治らない
- 安静にしていても足先が強く痛む
などがある場合は、血管の病気も含めて医療機関での確認が必要です。
特に糖尿病、喫煙歴、高血圧、脂質異常症などがある方では、下肢の動脈の状態も確認されることがあります。
整形外科では何を調べる?
脊柱管狭窄症が疑われる場合には、症状や神経学的所見を確認し、必要に応じてレントゲンやMRIなどの画像検査が行われます。
重要なのは、MRI画像だけを見るのではなく、
- どこがしびれるか
- どのくらい歩けるか
- 筋力低下がないか
- 排尿・排便に異常がないか
など、実際の症状と合わせて評価することです。
血流が疑われる場合はABIなどを調べることも
脚の動脈の血流障害が疑われる場合には、腕と足首の血圧を比較するABI(足関節上腕血圧比)などが検査に用いられることがあります。
歩くとふくらはぎが痛むからといって、「全部腰から」と決めつけないことが大切です。
歩ける距離が短くなってきたら記録してみよう
「最近歩けなくなった」と感じる方は、簡単に記録しておくと受診時にも役立ちます。
例えば、
- 何分くらい歩くと症状が出る?
- どこが痛む・しびれる?
- 座ると何分で楽になる?
- 前かがみだと楽?
- 自転車なら大丈夫?
- スーパーのカートを押すと歩きやすい?
などです。
無理に限界まで歩いてテストする必要はありません。
痛みを我慢して歩けば鍛えられる?
「脚が弱っているから、痛くても歩かないと」
と考える方もいます。
身体を動かすことは大切ですが、原因が分からないまま強いしびれ・痛みを我慢して歩き続ける必要はありません。
まず脊柱管狭窄症なのか、血流の問題なのか、ほかの原因なのかを確認しましょう。
診断後は医師・理学療法士などの指導に合わせて適切な運動量を考えることが大切です。
杖やカートを使ってもいい?
前かがみになると症状が軽くなる方では、ショッピングカートなどを押すと歩きやすく感じることがあります。
また、転倒への不安がある場合には杖などが役立つこともあります。
補助具を使うこと自体を避ける必要はありません。
ただし、杖の高さや使い方が合っていないと歩きにくくなるため、不安な場合は医療機関やリハビリ専門職などへ相談してください。
脚に力が入りにくくなってきた場合
しびれだけではなく、
- 足首を上げにくい
- つま先が引っかかる
- 階段で脚に力が入らない
- 以前より明らかに筋力が落ちた
という場合は注意が必要です。
日本脊椎脊髄病学会でも、腰部脊柱管狭窄症で下肢の筋力低下や感覚低下などの麻痺症状が出ることがあるとしています。
筋力低下が進んでいる場合は早めに整形外科へ相談してください。
排尿・排便の異常は早急に医療機関へ
特に注意したいのが、
- 尿が出にくい
- 尿が漏れる
- 便のコントロールがおかしい
- 股の間の感覚がおかしい
- 両脚のしびれや筋力低下が急に悪化した
といった症状です。
神経への影響が強くなっている可能性があるため、整骨院やセルフケアだけで様子を見ず、速やかに医療機関を受診してください。
当院の既存「脊柱管狭窄症ページ」とこの記事の違い
宝塚げんき鍼灸整骨院には、すでに腰部脊柱管狭窄症について詳しく解説した症状ページがあります。
そちらでは、脊柱管狭窄症の原因や症状、当院での考え方などをまとめています。
今回の記事では、脊柱管狭窄症そのものを繰り返して説明するのではなく、
「歩くとつらい → 休むとまた歩ける」という間欠性跛行から、神経と血管の両方を考える
ことを中心にしています。
宝塚げんき鍼灸整骨院では何を確認する?
歩行時の脚の痛み・しびれをご相談いただいた場合は、
- 何分・何mくらい歩けるか
- 症状が出る場所
- 左右どちらか、両脚か
- 座ると楽になるか
- 前かがみで変化するか
- 腰痛の有無
- 脚の感覚
- 筋力低下がないか
- 歩き方
- 過去の診断や画像検査
などを確認します。
脊柱管狭窄症や血管疾患などが疑われる場合、まず適切な医療機関での評価を優先していただきます。
医療機関での診断や治療を受けたうえで、腰や臀部周辺の筋肉の緊張、身体の動かしにくさなどが重なっている場合には、状態に合わせた身体のケアをご提案します。
鍼灸で狭くなった脊柱管を広げられる?
鍼灸によって構造的に狭くなった脊柱管そのものを広げることはできません。
当院では、腰や臀部・脚周辺の痛みや筋肉の緊張などについて、医療機関での評価を踏まえながら鍼灸を取り入れる場合があります。
「脊柱管狭窄症だから鍼をすれば治る」という説明ではなく、症状と身体の状態を確認しながら施術を考えます。
当院の脊柱管狭窄症の症例
当院には、脊柱管狭窄症と診断され、足のしびれや歩行困難で来院された症例があります。
ただし、脊柱管狭窄症の程度や神経症状、治療経過には個人差があります。
症例と同じ施術を行えば同じ経過になるというものではありませんので、一例としてご覧ください。
歩くと脚がしびれる方へ|5つのチェック
- 何分・どのくらい歩くと症状が出る?
- お尻・太もも・ふくらはぎ・足のどこに出る?
- 座る・しゃがむと楽になる?
- 前かがみやカートを押すと歩きやすい?
- 脚の冷たさ・色・傷など血流を疑う変化はない?
このチェックだけで診断するものではありません。
医療機関へ症状を伝えるための整理として利用してください。
宝塚市・阪急山本駅周辺で歩くと脚がしびれる方へ
「歩くと脚がしびれるけれど、少し休めばまた歩ける」
この症状は、腰部脊柱管狭窄症でみられる間欠性跛行の可能性があります。
一方で、脚の動脈の血流障害でも似た症状が起こります。
「腰のせいだろう」「年齢のせいだろう」と決めつけず、一度原因を確認しましょう。
まとめ
歩いていると脚が痛い・しびれるため休み、少しすると再び歩けるようになる状態を間欠性跛行といいます。
代表的な原因の一つが腰部脊柱管狭窄症です。
脊柱管狭窄症では立つ・歩くことで症状が出て、座る・しゃがむ・前かがみになると楽になることがあります。
ただし、下肢の動脈の血流障害でも「歩くと痛い・休むと楽」という症状が出るため、間欠性跛行だけで原因を自己判断することはできません。
歩ける距離が短くなっている、脚に力が入りにくい、感覚が鈍い、足の冷たさや傷があるなどの場合は医療機関で原因を確認してください。
特に排尿・排便障害や急速な筋力低下などがある場合は、速やかな医療機関受診が必要です。
宝塚市・阪急山本駅周辺で、歩くと脚が痛い・しびれる、休みながらでないと長く歩けないという方は、まず状態を確認したうえで宝塚げんき鍼灸整骨院へもご相談ください。
参考:日本循環器学会「2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン」


