「涼しくなってきたから久しぶりに走ろう」
「しばらく休んでいたスポーツを再開したい」
「運動会やスポーツイベントに久しぶりに参加する」
秋になり、久しぶりに身体を動かす予定の方も多いのではないでしょうか。
ここで注意したいのが、以前できていた運動量を、久しぶりの初日からそのまま行おうとすることです。
スポーツ庁では、運動・スポーツ前には準備運動を行い、体温や筋温を上げ、ストレッチや動きづくりなどを通して身体が動きやすい状態をつくることが、外傷・障害予防の観点から重要としています。
また厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、普段の身体活動量が少ない方が急に普段以上の運動をする場合は注意が必要で、個人差に合わせて運動の強度や量を調整し、可能なものから取り組むことが勧められています。
今回は、久しぶりに運動を再開するときの準備運動と、ケガを防ぐための運動量の戻し方について解説します。
- 準備運動=ストレッチだけではありません
- まずは軽く身体を動かすところから
- 久しぶりの運動で最も注意したい「昔の感覚」
- ポイント① 初日から100%で動かない
- ポイント② 「10分ストレッチしたから全力OK」ではない
- ポイント③ 実際に行うスポーツに近い動きへつなげる
- ポイント④ 痛みを我慢してストレッチしない
- ポイント⑤ 「身体が温まったから痛くない」に注意
- 久しぶりのランニングで注意したい場所
- ダッシュでふくらはぎに「ブチッ」は肉離れに注意
- 着地で足首をひねったら「少し歩けるからOK」ではない
- 筋肉痛とケガはどう違う?
- 翌日の筋肉痛が強いなら同じ運動をもう一度やる?
- 運動量は「少しずつ戻す」
- ウォームアップは何分すればいい?
- 運動前の体調チェックも忘れずに
- 胸の痛み・強い息苦しさが出たら運動を中止
- 運動後のクールダウンも
- 「ケガを予防する魔法のストレッチ」はありません
- 久しぶりの運動前チェック|7項目
- こんな痛みは「久しぶりだから」で済ませない
- 宝塚げんき鍼灸整骨院では何を確認する?
- 宝塚市・阪急山本駅周辺でスポーツ後の痛みにお悩みの方へ
- まとめ
準備運動=ストレッチだけではありません
運動前の準備と聞くと、
「前屈して太ももの裏を伸ばす」
「アキレス腱を伸ばす」
といったストレッチを思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、ウォームアップの目的は単に身体を柔らかくすることだけではありません。
これから行う運動へ向けて、少しずつ身体を動かしやすい状態へ移行させることが大切です。
スポーツ庁でも、ストレッチだけでなく「動きづくり」を含めた準備運動が紹介されています。
まずは軽く身体を動かすところから
例えば久しぶりにジョギングをするなら、家を出た瞬間から全力で走る必要はありません。
まずは、
- 数分歩く
- 徐々に歩く速度を上げる
- 軽いジョギングへ移る
- 股関節・膝・足首を軽く動かす
など、段階的に運動へ入っていきましょう。
球技なら、いきなり全力ダッシュや試合形式から始めるのではなく、軽いランニングや基本動作から始めます。
久しぶりの運動で最も注意したい「昔の感覚」
身体は運動を休んでいる間にも変化します。
ところが頭の中には、以前スポーツをしていたときの感覚が残っています。
そのため、
「昔はこれくらい余裕だった」
「学生時代はもっと走れた」
と、最初から以前と同じ強度で動いてしまうことがあります。
久しぶりの運動では、昔の自己ベストではなく、今の身体を基準にすることが大切です。
ポイント① 初日から100%で動かない
厚生労働省は、運動を安全に行うためには普段の身体活動量・強度と、これから行おうとしている運動の強度を考えることが重要としています。
特に身体活動量が少ない方が、急に高強度の運動を行う場合は注意が必要です。
久しぶりなら、
- 距離を短くする
- 時間を短くする
- スピードを落とす
- 休憩を多めにする
など、何か一つ負荷を下げた状態から始めてみましょう。
ポイント② 「10分ストレッチしたから全力OK」ではない
入念にストレッチをしたからといって、その直後から身体が以前と同じ運動能力へ戻るわけではありません。
準備運動をしたことと、現在の体力・筋力がその運動量に対応できることは別の話です。
ウォームアップをしたうえで、実際の運動も軽い強度から段階的に始めることが大切です。
ポイント③ 実際に行うスポーツに近い動きへつなげる
身体が少し温まってきたら、これから行う運動に近い動きを取り入れていきます。
例えば、
ランニングなら
- 歩行
- 速歩
- 軽いジョギング
- 徐々に通常のペースへ
サッカー・バスケットボールなどなら
- 軽いランニング
- サイドステップ
- 軽い切り返し
- ボールを使った基本動作
- 徐々にスピードアップ
筋力トレーニングなら
- 関節を軽く動かす
- 軽い重量でフォームを確認する
- 徐々に予定の重量へ近づける
というように段階を踏みます。
ポイント④ 痛みを我慢してストレッチしない
身体が硬いと、
「痛いくらい伸ばした方が効く」
と思うことがあります。
しかし、運動前に痛みを我慢しながら強く伸ばす必要はありません。
特に、
- 膝を曲げると鋭く痛む
- 股関節を開くと痛む
- 腰を曲げると脚までしびれる
- 肩を動かすと強い痛みが出る
場合は、その動きを無理に繰り返さないでください。
身体が硬いことと、痛みのある関節を無理に動かすことは別です。
ポイント⑤ 「身体が温まったから痛くない」に注意
運動開始直後は気になっていた痛みが、身体を動かしているうちに少し軽く感じることがあります。
だからといって、必ずしも問題がなくなったとは限りません。
運動中に痛みが軽くても、
- 運動後に強く痛む
- 翌日に腫れる
- 歩き方が変わる
- 同じ場所が毎回痛くなる
場合は、一度運動量や身体の状態を見直しましょう。
久しぶりのランニングで注意したい場所
ランニングを再開すると、膝だけでなく、
- ふくらはぎ
- アキレス腱周辺
- すね
- 足首
- 足裏
- 股関節
などに症状が出ることがあります。
「膝が痛くなければ大丈夫」ではなく、脚全体の状態を確認しましょう。
ダッシュでふくらはぎに「ブチッ」は肉離れに注意
久しぶりの運動で特に注意したいのが、急なダッシュやジャンプです。
日本整形外科学会では、肉離れはスポーツ中などに筋肉が強く収縮した際、筋肉そのものや筋腱移行部などを損傷することで起こるとしています。
特に、
- ダッシュした瞬間に鋭く痛んだ
- ふくらはぎ・太ももに「ブチッ」とした感じがあった
- 歩くと痛い
- 力を入れると強く痛む
場合は、単なる筋肉痛として運動を続けないでください。
着地で足首をひねったら「少し歩けるからOK」ではない
バスケットボールやバレーボール、サッカーなどでは、着地や切り返しで足首をひねることがあります。
足関節捻挫では靱帯などを損傷していることがあります。
日本整形外科学会でも、痛みの程度だけでは損傷の程度を判断できない場合があるため、受傷状況や腫れなどを確認することが重要としています。
筋肉痛とケガはどう違う?
久しぶりに運動すると、翌日やその次の日に筋肉痛が出ることがあります。
一方、スポーツ外傷では、
- ダッシュした瞬間
- ジャンプの着地
- 切り返した瞬間
- 接触・転倒した瞬間
など、明確なタイミングで痛みが出ることがあります。
ただし、「翌日に痛くなったから全部筋肉痛」とは限りません。
腫れ、内出血、体重をかけられない痛み、関節の不安定感などがある場合は、外傷を含めて確認しましょう。
翌日の筋肉痛が強いなら同じ運動をもう一度やる?
久しぶりの運動後に強い筋肉痛がある状態で、翌日も同じ強度の運動を繰り返す必要はありません。
身体の状態に合わせて、
- 休養する
- 運動時間を短くする
- 強度を下げる
- 別の軽い活動に変える
など調整しましょう。
「毎日やらないと意味がない」と考えなくて大丈夫です。
運動量は「少しずつ戻す」
厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023では、年齢や体力、健康状態など個人差を踏まえ、強度や量を調整して可能なものから取り組むことが基本とされています。
例えば以前30分走っていた方でも、長期間運動していなかったのであれば、
- まず歩行と軽いジョギング
- 次回は少し時間を延ばす
- 症状がなければ徐々に強度を上げる
という考え方で構いません。
「○日で元の運動量へ戻す」という一律のルールはありません。
ウォームアップは何分すればいい?
必要な時間は、行うスポーツ、年齢、気温、体力などによって変わります。
そのため「必ず○分」と時間だけで決めるより、軽い動きから始め、徐々に実際の運動へ近づけていくことを意識しましょう。
寒い日や身体が動きにくい日は、急に強度を上げないことも大切です。
運動前の体調チェックも忘れずに
準備運動以前に、その日に運動してよい体調か確認しましょう。
例えば、
- 発熱している
- 強い倦怠感がある
- 睡眠不足が強い
- 胸痛や息苦しさがある
- めまい・ふらつきがある
- すでに関節や筋肉が強く痛む
場合は、無理に運動を始めないことが大切です。
スポーツ庁も、外傷・障害予防のためには準備運動だけでなく、十分な睡眠や食事など体調調整も重要としています。
胸の痛み・強い息苦しさが出たら運動を中止
運動中に、
- 胸の痛み・圧迫感
- 強い息苦しさ
- 意識が遠のく感じ
- 強い動悸
- 突然の強いめまい
などが出た場合は運動を中止し、症状によっては速やかに医療機関へ相談してください。
「運動不足だからしんどいだけ」と決めつけないようにしましょう。
運動後のクールダウンも
久しぶりの運動では、終わった瞬間に座り込むより、軽く歩くなどして徐々に運動強度を落としていきましょう。
スポーツ庁でも、運動後にはストレッチを含めたクールダウンを行うことが、疲労回復や外傷・障害予防の観点から有効としています。
ただし、運動後にすでに鋭い痛みがある場所を、無理に強く伸ばす必要はありません。
「ケガを予防する魔法のストレッチ」はありません
準備運動は大切ですが、何か一つのストレッチをすればすべてのケガを防げるわけではありません。
ケガ予防では、
- 現在の体調
- 普段の運動量
- 準備運動
- 運動強度
- 休憩
- 睡眠
- 過去のケガ
などをまとめて考える必要があります。
久しぶりの運動前チェック|7項目
- 今、強い痛みや体調不良はない?
- 以前の運動量を初日から再現しようとしていない?
- 軽い動きから身体を温めた?
- 実際の競技につながる動きを段階的に行った?
- 痛みを我慢してストレッチしていない?
- 休憩を取れる予定になっている?
- 運動後・翌日に痛みや腫れが増えていない?
こんな痛みは「久しぶりだから」で済ませない
次のような場合は、単なる筋肉痛と決めつけず身体の状態を確認しましょう。
- 運動中に突然鋭い痛みが出た
- ブチッという感覚があった
- 関節が大きく腫れている
- 内出血が広がっている
- 体重をかけられない
- 関節がグラグラする
- 痛みが日に日に強くなる
骨折・捻挫・肉離れなどが疑われる場合は、必要に応じて整形外科で画像検査などを受けてください。
宝塚げんき鍼灸整骨院では何を確認する?
運動後の身体の痛みをご相談いただいた場合、
- どんな運動をしたか
- 久しぶりの運動だったか
- 運動量・時間
- 痛くなった瞬間があったか
- 腫れや内出血
- 関節の動き
- 体重をかけられるか
- 過去のケガ
などを確認します。
骨折や重度の靱帯損傷などが疑われる場合には、整形外科での確認を優先していただきます。
原因が明確な捻挫・挫傷などの急性外傷では、健康保険が適用できる場合があります。適用可否は受傷原因や状態によって異なります。
宝塚市・阪急山本駅周辺でスポーツ後の痛みにお悩みの方へ
久しぶりの運動で大切なのは、たくさんストレッチすることだけではありません。
軽い運動から身体を準備し、以前の自分ではなく「今の身体」に合わせて運動量を調整することが大切です。
まとめ
久しぶりに運動を再開するときは、ストレッチだけで準備を終えるのではなく、軽い動きから徐々に実際の運動へつなげていくことが大切です。
また、準備運動をしたからといって、以前と同じ運動量を初日から行えるとは限りません。
距離・時間・速度などを調整し、現在の体力に合わせて少しずつ戻していきましょう。
運動中に突然鋭い痛みが出た、関節が大きく腫れた、内出血がある、体重をかけられないなどの場合は、「久しぶりだから筋肉痛だろう」と決めつけず、必要な医療機関で状態を確認してください。
宝塚市・阪急山本駅周辺で、スポーツによる捻挫・肉離れ・筋肉や関節の痛みにお悩みの方は、宝塚げんき鍼灸整骨院までお気軽にご相談ください。
参考:スポーツ庁「運動・スポーツを実施する皆さまへ」
参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」
参考:公益社団法人 日本整形外科学会「スポーツ外傷の応急処置」


